生産技術科のSEチームです。卒業制作の製作状況です。

とうとう部品がそろいました！失敗や作り直しも多々ありましたが、みんなでカバーし合いながら作製し、完成しました。

ところで、SE＝スターリングエンジンとはどんなエンジンかご存じでしょうか？

「エンジン」と聞いて一般的に思い浮かぶのは、車や草刈り機などに使われているエンジンかと思います。このエンジンは内燃機関と言って、内部でガソリンを燃やします。この時発生した爆発力によってピストンを往復運動させたり、ロータリーを回したりして、タイヤの回転運動に変換しています。

SEは、ピストンを往復運動させて回転運動に変換する点は、同じ構造です。SEが車のエンジンと違うところは、ピストンを動かす力に爆発力ではなく、外部からの熱による空気の温度差を利用した膨張・収縮力を利用している点で、これを外燃機関と言います。

SEは数あるエンジンの中でも次のような特徴を持っています。

・爆発を必要としないので比較的静かで、本体からは有害な気体を発生しない

・（理論的に）熱効率が高い

省エネルギー化可能でクリーンなエンジンとして様々な活用が期待されています。ただし、構造的にどうしても形状が大きくなってしまうというデメリットがあります。このため、実用化できる範囲が限定されているのが現状です。潜水艦の発電機など、ごく一部で使われています。

また、SEの中でもいくつか種類があり、今回はα型と呼ばれる構造を採用しています。高温側（加熱する側）と低温側（冷却する側）の２つにピストンが分かれているのが特徴です。

構造は比較的簡素化されているタイプですが、密閉性や温度差が必要となるので、部品製作の精度が要求されます。２年間の訓練で身に着けた加工技術や測定技術がどのくらい活かせているか…。動くかどうかは、そこにかかっています。

次回はようやく組立て（仮組み）、そして試運転です。うまく動いてくれますように…！