広島県立技術短期大学校

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視点 ~ココに来たから見つかったワタシの未来~

「ヨッシャー!!!!! 就職が決まった!!!」

うれしくて,飛び上がった。自分の希望した医療関係の技術開発職での採用をもらった。

採用試験に向けて頑張った。自分としては基礎学力に不安があって,先生に相談したら,放課後教えてくれた。レク活動で校外に出た時も,学校に帰ってきたら,先生は付き合ってくれた。面接の練習も。先生が一緒に考えてくれた。
自分も頑張ったけど,先生が最後まで付き合ってくれたおかげ。

ものづくりが好き。それで選んだ高校は工業高校の機械科。普通旋盤は形になっていくのが面白くて,一所懸命取り組んだ。でもフライス盤やマシニングセンタは先生が使うのを見る,先生がセットしてくれて最後にボタンを押す。ちょっと物足りない。もっともっと機械を触りたい,もっともっと上手になりたい。

高校3年生の時,ココを担任の先生から教えてもらった。何も考えずに決めた。だって,機械を触ることができる。
実は,子どものころから学校に行けない時間が多かった。先天性の疾患があり,毎年の通院は必須だし,何度か入院もした。そんなだから,一人で過ごす時間も多かったからか,ものを作る…ということに興味がわいたのかもしれない。一人でこちょこちょすることが好きだったから。

ココに入って1年生の夏休み,3週間あったけど,どこにも行けなかった。病院にいたから。手術を受けるために。それまで,行動にはいろんな制約があった。悩んだけどやりたいことをやるために,行きたいところに行くために手術を決断した。
夏休みが終わっても退院できず,少し遅れて学校に戻った。「おかえり!」と言われるくらいで,何もなかったように先生もクラスメイトも接してくれた。特別扱いではなく,ごく普通に。それはそれで居心地がいい。

その入院の期間,様々な医療機器の中で過ごした。点滴をするのにも,注入量を調整するための機械がついていた。点滴台もいろいろ気になる。ベッドだって,モーターはついているし,手すりの形状も気になる。多くの器具,機械に囲まれていた。

ふと,『?』が『!』になる瞬間があった。

患者のワタシがいて,作る側としてのワタシがいる。

医療器具の開発にかかわる仕事をしたい。

これまで漠然と機械を触る仕事ができれば…と思っていたのにそうじゃないと気づいた。私のやりたい仕事。『患者としての視点で,ものづくりを担当する視点でできる仕事』そんな仕事ができる会社に就職したい。

方向性が明確になった瞬間だった。

ココの仲間は面白い。前に『コップを設計する』という課題が出た。指定されたのは容量だけ。ワタシは普通のコップしか思いつかなかった。


でも,枡を作った人もいる。何とも言えない変わったものを作った人もいる。「なんで,そんなもの思いつくの?」と思ったけれど,先生は「変わったのを作ったねぇ」「独創性があるねぇ」と笑ってた。その人の『視点』を大切にしてくれている。モノを作ろうとするときに,自由な考え方を認めてくれている。気づいたことを一緒に考えてくれている。だから居心地がいいのかなぁ。

   

 

4月からのワタシ。
どんな人たちとどんな仕事の仕方になるのかはわからない。でも,いろんな『視点』をもって,取り組みたいと思っている。

『否定しない』

ワタシがここで先生から教わった大事なこと。
これからも大事にしたい。

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